広島文化学園
大学は1995(平成7)年に設置された社会情報学部と1999(平成11)年に設置された看護学部、そして2010(平成22)年に設置された学芸学部で構成されています。これら4年制の学部で学んだ専門
領域での見識をさらに高めたい学生のために大学院を擁しています。
学生の皆さんには自分の所属する学部・学科のことだけでなく、大学の全体像、大学がめざしていることについても理解していただきたいと願っています。
1.教育の目的
高等教育機関としての大学では知識・技術ばかりでなく、人間性豊かな大人(成人)を社会に送り出す使命を帯びています。社会情報学部は「総合的な教養教育
によって豊かな人間性を涵養しつつ、経済、環境、福祉・健康作り、情報といった領域で幅広く活躍できる職業人育成をめざす」ことを、看護学部では「実践科
学としての看護学教育を行い、時と共に変化するヘルスニーズに対応しうる看護師・保健師を養成しつつ、人間的倫理観に裏打ちされたパーソナリティ形成をめ
ざす」ことを、教育の目的としています。学芸学部では、子ども学科と音楽学科という二つの学科で、「人間を育て地域を育てる教育者の養成」を教育の理念としています。
大学院社会情報研究科(博士前期課程・後期課程)および大学院看護学研究科(修士課程)では、知識・技術・人間性をさらに向上させ、人々を指導できうる高
度実践能力を付けることをめざしています。
2.人間力・専門力・就職力
上に述べました知識・技術・人間性を「3つのH:Head,Hand.Heart:頭と手と心」と表現する方もおられますが、私は「人間力・専門力・就
職力」というスローガンを掲げています。
人間力とは、心の豊かさや正直さをベースに、社会性(集団をつくり他人と関わって生活しようとする人間の本能的性質・傾向)を持つことを意味しています。
他人とうまくコミュニケーションを取り、夢や希望を胸に抱き、明るい社会を形成する一員になっていただきたいと願っています。カリキュラムでは教養科目・
セミナー・学外実習などで対応しています。
専門力とは、最終的に「問題を解決する」能力だと考えています。専門的な知識をただ持っているのではなく、その知識を参考にしながら解決策を考えていく力
をつけてください。カリキュラムでは卒業研究(社会情報学部・学芸学部子ども学科)、看護研究(看護学部)、卒業演奏(学芸学部音楽学科)を、それぞれ専門力をつけるための最終段階としています。
就職力とは、まさに就職できる力です。社会に貢献するためにはさまざまな能力を持つ必要があります。どちらの学部でも就職力に直結する資格や検定について
の指導を行っています。授業科目で対応しているもの、課外で指導を行っているものさまざまですが、皆さんが努力して就職力を磨かれることを期待していま
す。
3.広島文化学園大学の教育
大学では講義・実習・演習といった種類の授業が行われますが、授業に出席するだけでは自分を磨くことは難しいと思います。自宅学習、クラブなどの学生活
動、アルバイトなどの学外活動なども取り入れながら、3つの実践する力「人間力・専門力・就職力」をつけてください。大学の建学の精神として
「Theoria cum
Praxi;究理実践」を掲げていますが、理論ばかりでなく実践していく力を同時に身につけるようとする姿勢を皆さんに求めたいと思います。
とは言え、学生が自分自身の力だけで究理実践を自分のものとしていくことには限界があるでしょう。授業だけで完成できるものでもありません。そのとき、教
員の存在様式が重要となると思っています。広島文化学園大学の教員は「授業担当者」であると同時に、同じ大学人として「究理実践を追い求める同志」でもあ
るのです。先生と学生という対立的な立場ではなく、教員と学生が同じ目的のために同じ場所にいて、その中で知識や技術の伝達が行われ、かつ心と心の交流が
行われて始めて教育が実現できると私たちは考えています。このことを示したのは20世紀最高の哲学者であると言われているマルチン・ブーバーであり、「対
話」の精神です。この「対話」は単なる会話ではありません。同じ場所・同じ目的・同じ心を持った人々が、論争ではなく、心の交流をベースに成長についてお
互いが切磋琢磨していくことなのです。
「究理実践、そして対話」という大学教育を具体的に示したのが、広島文化学園大学の少人数制です。これは少人数で授業を行うということばかりを示したもの
ではありません。「対話」を実現するためには少人数という仕組みが必要なのです。社会情報学部では1年生からセミナーに所属しますが自分の将来や目標を決
める時、研究を行うときに「対話」がしやすい環境を提供しているのです。看護学部は看護職者になることを目標としていますから「対話」が最も必要になる看
護学実習時に少人数指導を実現しています。学生と共に教員が実習先に同行し、究理実践対話が同時進行できるようにしているのです。また学芸学部子ども学科では、基礎ゼミの担当者や卒業研究の指導教員が、少人数教育の「対話」の中で「教育者」としての「究理実践」を学生の皆さんと進めています。音楽学科では、個人レッスンの指導者と学生生活をサポートするチューターが、学生の皆さんと学びの「対話」を実践しています。
広島文化学園大学では、学生の皆さんと共に教員も究理実践をめざしていると言うこと、学生の皆さんと対話する準備ができているということを知っておいてい
ただきたいと思っています。
4.Self-Study(自己点検・評価)
「究理実践、そして対話」を実現するための有効な方法(作業)として、広島文化学園大学が取り組んでいることが「Self-Study(自己点検・評
価)」です。自分自身を「研究対象」にして客観的に自分を点検し、その活動を評価し、次のステップへつなげていくという方法(作業)です。これは学生諸君
のみならず、広島文化学園大学の教職員全員が取り組んでいる方法です。
「目標を立てて行動し、その結果を正直に評価して次の行動へ」という当たり前の作業(下図参照)なのですが、「正直に評価する」ことには慣れていないかも
しれません。時に「やりっぱなし」になったり、「ま、いいか」と投げてしまったりすることもあるでしょう。うまく行動できた時にはその要因を分析して次に
生かし、目標が達成できなかった時にはその原因(目標が高すぎた、準備が足りなかった、方法が良くなかった、他人の協力が得られなかった、等々)をしっか
り見極めるように評価作業を行ってみてください。この作業を行ってこそ「究理実践、そして対話」が実現し、「人間力・専門力・就職力」という3つの力を身
につけることができると私は信じています。この自己点検・評価、はじめから上手にこなすことは難しいかと思います。そのとき、「対話」の相手である教員の
存在をどうぞ思いだしてください。一緒に、自己点検・評価を行っていきましょう。


