キャンパス通信 看護学科2017

「はなまるノート」で考える力~母性看護援助論

2年生後期と3年生前期の母性看護援助論Ⅰ・Ⅱで「はなまるノート」(A4判)を活用し、学生の考える力を磨いています。
講義前の学習課題のプリントを学生が自分で貼り、授業中に講義内容などを記入して教員へ提出します。講義を担当した教員がコメントを書いて=写真=返却し、学びのフィールドバックをします。お互いのコミュニケーションツールにもなっています。この取り組みは事前学習と講義ごとの達成度評価を必須としています。「目的をもって講義に参加する」「メモをとる習慣化」「物を大切にする」ことを目的に活用を始めて3年目。「分からなかったことを書いておけば先生が返事をして下さるので疑問を解決できる」などと学生に好評です。メモの習慣化についても「ただ聞くよりも書くことで頭に入る」と、積極的に学ぶ姿勢につながっています。

学習に取り組む姿勢を育てるツールとして活用

「はなまるノート」は学生が自分で好きなノートを購入します。学生からは「先生からのコメントやスタンプが嬉しい」という意見があり、学生の学習に取り組む姿勢や考える力を育てるツールとして、活用していきたいと考えています。
ノートによる事前学習課題は、各授業のテーマに沿って最低限知っておいて欲しい講義内容の1~4つ程度のポイントを絞った課題とし、その学習内容や程度は学生個々に合わせた記載になっています。学生の意見として、「ノートがあることで真剣に受講することができたと思う」「先生からのコメントにやる気が出た」「後で振り返ることができて役に立った」などなど学習スタイルが身についていない学生の学習習慣の強化と、積極的に講義に臨む姿勢につながっています。
一方、「書くことに集中しすぎて先生の話が充分聞けない」という意見もありますが、学生が不得手とする主体的な学習姿勢やメモの習慣化にも「ただ聞くよりも書くことで頭に入る」「授業が終わっても見返せる」などの効果も見られています。90分の講義を受けながらメモをするというのは、集中力が求められますが、学生はそれぞれ自分たちらしく楽しい工夫をしながらノートを作成しています。
教員は学生が提出した「はなまるノート」を通して、学生の感じたことや学びの過程を知ることで学生の思いや考えについても把握することができます。さらには、教員のコメントに返信する学生や、教員のコメントに対して学生が自分で調べて書き込んだり、マス・スタイルになりがちな講義形態を補足する効果を生み出すことができています。
「はなまるノート」は母性看護援助論の講義を終えてからも、テスト勉強や実習に向けての振り返り学習、実習中は講義で何を感じたか、どんな講義だったかを思い出すツールにもなっています。

学生のコメント

先生からコメントがもらえるのでやる気にも繋がりました。

池田 愛里 さん
(4年生/鹿児島県立川内高等学校出身)

教科書やレジュメにマーカーするだけでなくノートに書くことで理解が深まり、試験勉強にも役立ちました。また講義の感想を書いて先生に見てもらいコメントがもらえるのでやる気にも繋がりました。

テスト勉強に生かすことができました。

迫 直弥 さん
(4年生/広島県立安芸府中高等学校出身)

テスト前に授業でマーカーを引いた所を見るだけでなく、講義中に実際書いたことや先生が言った教科書に書いていないことなどを見て、テスト勉強に生かすことができました。

実習中に分からないことをこのノートですぐに探せました。

迫野 美佳 さん
(4年生/広島県・山陽女学園高等部出身)

授業ごとのプリントもファイルを作らずノートに貼っていて、大事な所はメモしていたので、テストや実習の時にノート一冊で勉強ができたのが良かったです。実習中は分からない事や援助の手順の確認等、テキストを見るよりノートの方が知りたいことをすぐに探せました。

ノートのおかげで実習中、反省点をどう改善するかを考えることができました。

宗森 咲子 さん
(4年生/広島県立安芸南高等学校出身)

自分なりにノートを作ることで、先生が言われていた大事なことなどを後から見たときに理解しやすかったです。事前学習課題に取り組んで講義に出席することで反省点が講義の中で出てくるので、実習では反省点をどう改善するかを考えることができました。

分からないことをそのままにせず疑問を解決することができてよかったです。

佐々木 綾香 さん
(4年生/広島修道大学附属鈴峯女子高等学校出身)

毎講義の最後に、講義中分からなかったことなどを先生に質問でき、ノートが返ってきたときには先生から返事が返ってくるので、分からないことをそのままにせず疑問を解決することができ、先生とも意見交換できてよかったです。

講義資料で重要なところをノートに書くことで重要なところが理解できます。

安宗 星莉香 さん
(4年生/広島県立可部高等学校出身)

講義資料で重要なところをノートに書くことで、重要なところが理解できます。また、事前学習に取り組んで講義に出席することで、事前学習で間違って理解していたところが明確に分かり、正しいことが頭に入りやすくなりました。

◆ノートの活用について◆

◆ノートの使い方◆

◆授業風景◆

指導教員のコメント

看護学部 山内 京子 教授
看護学部 山田 晃子 講師
看護学部 上林 聡子 助教

講義に姿を見せているだけの学生の姿や、大学内の忘れ物や落とし物の数から、主体的に受講し、物を大切にする習慣を身に付けてもらえるには…と考えた結果「はなまるノート」を使うことを考えました。「はなまるノート」という名前も学生に募集をかけ、その中から学生と教員の相互関係、学生の学びをサポートできる名前ということで、教員が選びました。
「はなまるノート」活用当初は使用方法のルールを特に設けていなかったため、学生たちにも戸惑いがありました。「何を書いていいのかわからない」、「スライドを一生懸命メモして、先生の話が耳に入ってこない」などの意見があり、講義終了後に提出してもらったノートを見ると、90分の講義をどのように受けるべきか悩んでいる学生の姿が見えてきました。高校生までは宿題をする、板書の内容をノートに書くというスタイルでの学習が、大学では自ら考えて行動する力が必要になります。しかし、学生達は「考えてやってみてください」と指示するだけでは、なかなか難しいようでした。現在は「はなまるノート」のルールを設けて講義を進めています。事前学習に取り組む、講義を受ける時には受講目標を設定する等です。ルールを決めてからは、学生がノートをとる内容に変化が見られ始めました。講義を受けながらカラフルに色分けしてメモをとっている学生や、配布した資料を貼る学生、受講目標を意識しながらメモをとっている学生など、学生それぞれが工夫してノートを作っています。しかし、スライドを丸々書く学生もいるので、現在では「スライド内容はプリントを印刷して配布をするので、そのまま写すのではなく、印象に残ったことや補足内容をノートに書いてください」と伝えています。そうすると、学生とよく目が合うようになり、なぜ?と考えている様子が伝わるようになりました。
複数のことを同時に行うことには困難を伴いますが、学生が看護師になった時には、優先順位を考え、聞いた話を記憶する、聞きながらメモをとる等の能力が求められます。母性看護援助論の講義以外でも「はなまるノート」を使用したことが、学生の記憶や経験に刺激を与え、学生の潜在能力を伸ばしていくサポートができればと考えています。
「はなまるノート」は講義を受けての学生の反応が見えるので、1学年約140名の学生の把握ができます。また、学生の学びのサポートをしながら、教えることについて考えることもでき、「こんなこと考えてくれている」「ノートの使い方が変わってきたな」「前回のアドバイスを意識してくれている」など学生の変化にも気づくことができるので、「はなまるノート」の活用は学生だけでなく、教員にとっても考える機会を得るツールとなっています。