キャンパス通信 看護学科2016Vol.2

高齢の方の看護学 口から食べる重要性を学ぶ

「食べる」ことは人間にとってとても大切です。老年看護学の授業では「可能な限り自分でおいしく食べる」をテーマに看護の方法を考えていきます。 まず2年生前期に高齢者が抱えやすい病気や疾患にあわせた支援方法の知識を得ます。2年生後期には高齢の方への日常生活援助をグループ発表やディスカッションで学びます。さらに食べ物を飲み込むことが難しい方のために「ソフト食」を実際に調理します=写真。
ソフト食の調理実習は他大学ではあまり例がありません。こうした学びによって学生は成長し、3年生後期から始まる老年看護学実習で食事の援助を実践します。

「ソフト食」の公開講座を開催/学生も参加し地域の方々と学びを深める

「ソフト食」の調理演習は、管理栄養士である先生のレシピがあっても、なぜだかグループごとに個性的な味になっていくことも珍しくありません。講義→下ごしらえ→調理→試食→片付けまでを2コマ(3時間)で終わるために、グループでの協力が必要になってきます。それもまた看護師として必要な能力です。
調理演習が終われば、架空の状態の方への食事介助を、学生のデモンストレーションと互いの意見交換によって行います。実際の援助方法はロールプレイで学んでいきます。
実際にソフト食を調理するという授業は、地域の皆さまに向けてソフト食の公開講座を長年開催してきた本学ならではの取り組みの視点の一つとなっています。この授業で学んだ学生が実際に公開講座にも参加し,地域の皆さまと共にさらに学びを深めています。

学生コメント

食事が楽しいと思ってもらえるように考えていくことが大切

西山 祐衣 さん
(4年生/山口県立熊毛南高等学校出身)
食事介助は、食べる姿勢や食べる物の種類によって作り方を工夫すべきだと発見しました。高齢者の方々が日々の生活の中で食事が楽しいと少しでも思ってもらえるように考えていくことが大切と実感しました。

「食べることは生きること」の意味を理解できました

矢野 紘子 さん
(4年生/愛媛県立松山中央高等学校出身)
食事援助を通して、改めて美味しい食事が摂れることへの感謝と「食べることは生きること」の意味を学ぶことができ、呑み込みの段階の障がいに応じた援助の必要性も学ぶことができました。高齢者さんの場合は認知力や理解力、そして五感に働きかけることが大切だと理解できました。今後の看護に活かしていきたいと思います。

食事の援助は「生きる」ことを援助することだと学びました

魚埼 佳子 さん
(4年生/広島県立庄原格致高等学校出身)
高齢者さんにとって食事は楽しみであり、食生活が生きがいになり、生きる意欲に繋がります。だから食事の援助は「生きる」ことを援助することだと学びました。

食事の援助は難しくて大変だったけれど自分の課題も見つかりました

荒木 笑美 さん
(4年生/広島市立美鈴が丘高等学校出身)
いつまでも、自分の力で、自分の歯で食べることができるようにするために看護は重要です。しかし、思っていた以上に、食事の援助は難しくて、大変。だけど、患者様にとっては一番大事な援助だと感じました。難しい援助であったけれど、自分の課題も見つかりました。

担当教員のコメント

授業と実習で、高齢者様にとっての食事の意味を考える

看護学部 老年看護学領域
教授 讃井 真理
学生たちにとって、食事することは当たり前のことです。しかし、おいしく食べることが難しくなっている人にとっては命そのものです。支援が必要になったとき、どうして欲しいと感じるのでしょうか? どのように援助することが大切なのでしょうか? その援助は、本当に良いケアと言えるのでしょうか? 一つ一つに疑問を感じることが大切で、互いに意見を交わすことは、それらの疑問に対する答えに近づくことになります。
4年間を通して、必要な知識を身に着け、考えられる頭づくりをし、少しずつステップアップしながら学ぶことが、さらに深い知識と技術を身につけることになります。
また、他の職種の教員との関わりによって、さまざまな視点から食事を考え、看護を考えて欲しいと思います。そうしたことは、看護師として働き始めた時に、きっと大きく役立ちます。すでに巣立った先輩たちの言葉です。
「演習、一生懸命やっててよかったぁ 聞いててよかったぁ 見ててよかったぁ」
「あー! 食事!? つくった つくった。私たち失敗したんだよね!」
「もう少し○○すればよかったんだよね~」
失敗で覚えていくこともあるのね! 大学生の間に、たくさんの経験をしておくことが大切なんだ!!

写真で紹介 ~ 高齢者ソフト食調理演習

  • 管理栄養士からソフト食の講義
  • レシピに従って調理
  • それぞれ役割を果たそうと一生懸命
  • レシピを読み上げながら・・・料理もチームワークが大切
  • 調理後の試食で意見交換
  • 先生からの講評も受けながら・・・
  • グループでも話し合って
  • みんなで意見を出し合って学びを共有
  • 市販されている介護食で演習
  • 援助の方法を考えて発表し介助し合う
  • 実習で実際に援助する