キャンパス通信 保育学科2017

体験学習の委員会活動で実践力・対応力を培う

現場での実践力・対応力を培うために保育学科はカリキュラムの中にシミュレーション的体験学習を多く取り入れています。その体験学習を推進するために組織しているのが「委員会」です。運動会委員会、子育て支援活動委員会、生活発表会委員会、あかね祭委員会などがあり、それぞれ学生たちが話し合って取り組みます。
子育て支援活動委員会は2017年5月、学生の児童文化鑑賞活動として招いた人形劇を一般公開しました。子育て中の家族が集まる際にどんな配慮が必要かを皆で考え、おしめ替え台をトイレに設置したり、会場へマットを運んだり、委員が作った折り紙のメダルをプレゼントしたり=写真。行事が1回終わるごとに確実に成長する姿がみられます。

委員会の委員長・副委員長は「2年生リーダー」によって構成されています。1年生の1月、立候補・選挙によって選ばれるリーダー(18人前後)は、1年生のオリエンテーションキャンプの立案・運営を担い、彼らは同時に、上記の委員会のいずれかの委員長・副委員長を務めることになります。
 今回は4つの委員会の中から子育て支援活動委員と運動会委員について紹介しましょう。

◆子育て支援活動委員会◆

連休明けの5月8日、本年度第1回の子育て支援活動委員会を開催しました。委員長・副委員長を決定・紹介した後、早速、「人形劇の会開催の準備」にとりかかりました。プログラムのデザイン・作成の手順、子どもさんへのお土産(メダル)作成の手順、当日の役割を説明し、担当を決めました。
子育て中の家族が集まる際にどんなことに配慮が必要かを皆で考えました。具体的には、子ども用トイレの表示、おしめかえ台のトイレへの設置、授乳スペースの設営と表示の作成、駐車場の表示と道順の表示、ベビーカーの預かり係、会場の設営(マットの運搬)など、考えることがたくさんありました。

委員会の様子

当日は、10時半開演に向けて、8時半から準備が始まりました。今年の劇団は北九州の劇団「ののはな」です。
5月20日午前8時30分、納富俊郎さん・祥子さんご夫妻が「ののはな」のバンで到着です。皆で力を合わせて、機材を5階の会場に運びました。なかにはとても重いものもあり、役者さんの日ごろの大変さが少しだけわかりました。
上演は、午前・午後の2回です。午前中の運営担当は2年生委員、午後の運営担当は1年生委員です。

受付担当(左1年生、右2年生)

2年生委員による手遊び
手遊びで、わくわくした気持ちを高めていきます。どんな人形劇かしら…会場はわくわく感でいっぱい!

人形劇

公演終了後、役者さんは、シロクマちゃんでご挨拶。学生たちは子どもたちへのお土産渡しです。子どもたちの嬉しそうな様子にこれまでの疲れが吹き飛びました。

  • 面白かった?またね!
  • はい、どうぞ!

午前中の公演では子どもたちの嬉しそうな顔に、午後の公演ではお父さんの参加の場面で、お父さんの素敵な笑顔に出会えました。

公演終了後は5階から機材を降ろし、自動車に積み込んで終了。今日のお礼を伝え、皆でご挨拶をしました。
今日の業務は終了です。委員の皆さんよくがんばりましたよ!

◆学生のコメント◆

子どもたちに喜んでもらうために自分たちなりに考えました。

委員長 山本 奈々 さん
(2年生/島根県立松江商業高等学校出身)

子育て支援委員会は子どもたちに喜んでもらうために、今年の演目の1つ「うどんのうーやん」をもとに、うどんのどんぶりの形のプログラムを考えたり、折り紙でメダルを作ったり、自分たちなりに考えました。実際に子どもたちが喜んでくれ、本当に嬉しかったです。子育て支援活動委員の仕事は、公演までの期間が短く、準備がとても大変でした。委員長としては全体の把握ができるかとても不安でしたが、委員の皆が指示通りにうごいてくれ、とても助けられました。良い経験となりました。今年も子育て支援の活動ができたことを感謝しています。先生方、劇団の方々、本当にありがとうございました。

子どもたちの笑顔を見て達成感! 実習で生かしたいと思います。

副委員長 竹本 結衣 さん
(2年生/広島市立沼田高等学校出身)

初めての副委員長で不安や緊張がありましたが、無事終えることができて嬉しかったです。プログラムや看板の準備で忙しいと感じた時がありましたが、当日子どもたちが楽しそうに会場に行く姿や、子どもたちの笑顔を見て、「頑張ってよかった」と達成感を感じることができました。この委員会を通して、逆算して準備することの大切さを改め感じることができたので、これから始まる実習や日々の生活で生かしていきたいと思います。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。

グループ内の仕事の分担がとてもよく協力して動くことができました。

副委員長 坂田 千晃 さん
(2年生/広島県立向原高等学校出身)

私は当日体調不良で、参加することができなかったのですが、2年のリーダー、1・2年生の委員、先生たちの協力で、一つひとつを進めていくことができたと思います。2年生リーダーのグループ内の仕事の分担がとてもよく、協力して動くことができたと思います。前日に駐車場の看板を作ったときも、見えやすい字の大きさなどを工夫して、すごいと思いました。
私は 1年生のときもこの委員をしたのですが、2年になって、みんなの前に立って話すことで、昨年の先輩の大変さを改めて考えたりしました。

  • 1年委員長 丸村 紗里奈 さん
    (広島県立大竹高等学校出身)
  • 1年副委員長 村上 美咲 さん
    (島根県・益田東高等学校出身)

担当教員のコメント

保育学科
田頭 伸子 教授

子育て支援活動委員会は1年間に2つの大きな行事を担当します。「児童文化鑑賞の一般公開」と「大学祭のこども広場の運営」です。1つ目は5月に行われる学生の「児童文化鑑賞活動」に付随して行う「子育て支援活動」の運営です。
今年はプロの人形劇団に来ていただき、午前午後の2公演を計画しました。5月という前期の早い時期の行事であり、準備の期間が短いのが悩みですが、オリエンテーションキャンプを運営して、1年生に対応してきたリーダーたちは、能率よく、仕事を分担して、たくさんの仕事をこなしてくれます。
6月には2年生は初めての保育園実習をやりとげ、7月からは2つ目の仕事である11月の大学祭(あかね祭)の準備にとりかかります。
短大生は短期間に集中的にさまざまな実力を身に付け、2年間で保育者のスタートラインに立ちます。本当にすごいことだと思います。

◆運動会委員会◆

シミュレーション学習「運動会」は学内の運動場で開催します。企画・運営は運動会委員になった学生たちが中心になって行い、種目の選定や競技の行い方を考えることをはじめとして、保育現場での運動会を想定しながら当日の運営までを模擬的に体験していきます。また、運動会委員以外の学生は子どもの役になり、運動会を楽しみながら行事の運営方法を学習し、保育の現場で子どもたちを指導する際に必要な知識や実践力を身につけます。

運動会委員会は各セミナー2人ずつで構成され、今年は1年生12人、2年生18人でスタートしました。委員会が実働し始めるのは、実質、運動会当日の3週間前からです。2年の運動会委員はその日から毎日昼休みに集まりました。

1.事前準備の役割分担
 事前に行う準備の役割分担は、次のようなものです。これらの仕事を2年生18人で分担して行いました。

  • ポスター
  • メダル
  • 招待状
  • 入場門
  • ポイント打ち
  • ライン引き

2.種目の決定から準備
さらに種目のアイデアを各自1つずつ持ち寄り、最終的に8種目の種目を決めました。決まった8種目を、2人組になって担当し、種目説明のために種目の行い方を考えたり、どういう対戦の仕方で、また各チーム何人ずつで競技するかなどを検討していきました。 今年の種目は次の通りです(〇がついているものを委員が考えました)。

種目を決めてから園児役の学生たちにわかりやすいように、模造紙に図を描いて種目説明を行い、選手を決めていきました(模造紙は、当日も入場門の近くに掲示し、招集に役立てました)。選手が決まったら一安心、当日に向かってスパートです。各種目に必要な物品を洗い出しし、ないものを製作したり、購入したりして準備を進めていきました。また、種目の準備だけでなく、前日までそれぞれの準備分担を漏れのないようにやり遂げることに集中しました。
 門の製作やグランド整備、グランドにポイントを打ってラインを引く、テントを張るなど、2年のセミナーで請け負った仕事も順調に進み、あとは当日を待つだけです。

種目説明

3.当日
当日の運動会委員の仕事分担は次の通りです。1・2年の運動会委員30人が分担しました。

  • 台風の目
  • タオルキャッチング

運動会当日はとても良い天気で、まさに運動会日和でした。午前11時からの開催に間に合わせるため、当日は午前7時に集合しました。一度も予行演習をしていなかったので、仮置きしてあるテントの脚を立てたり、机・椅子を出すなどの会場整備をし、準備物をテントに運んでから、招集から誘導をし、それに合わせて放送を入れたり、ゴールの確認などのリハーサルを一通り行いました。シミュレーションが十分にできていず、戸惑いが大きかったのですが、一通り予行を行い、「なんとかやれそう」というところまでこぎつけました。10時30分になり、園児役の学生が集まり始め、運動会委員が帽子を配って点呼を行い、運動会がスタートしました。
 事前に行ったあらゆることが功を奏して、運営は例年にも増してスムースに進み、2時間半で予定通り無事に運動会を終えることができました。

◆学生のコメント◆

学科の全員が楽しんで運動会を行うことができました。

委員長 岡本 エリカ さん
(2年生/広島県立黒瀬高等学校出身)

運動会本番までの3週間、話し合いに出られなかったりしたこともあったけど、委員全員の協力のおかげで運動会を成功させることができました。委員長としての役割を充分に果たすことができたかどうかわからないが、保育学科全員が楽しんで運動会を行うことができたので良かったと思います。

試行錯誤したので保育の現場で行うときは良いものを作り上げることができると思います。

副委員長 畝原 佳世 さん
(2年生/広島県立海田高等学校出身)

この3週間、我ながら本当によく頑張ったと思います。今、とても達成感を感じています。ライン引きや運営などこれまでしてもらう側だったが、今回自分たちが中心となって取り組んだことはすごく力になりました。試行錯誤したので、次回、現場で運動会を行うときは、より良いものを作り上げることができると思います。

委員 北長 菜知 さん
(2年生/広島県立吉田高等学校出身)

運動会を運営するのは初めてでした。運動会を成功させるために委員のみんなで力を合わせて準備する大変さを身をもって感じました。運動会を終えて達成感を味わうことができ、大変だったけどやってよかったと感じています。この経験をこれからの力にしていきたいと思います。

委員 川本 志穗 さん
(2年生/広島修道大学附属鈴峯女子高等学校出身)

最初はめんどくさいなと思うことが多かったけど、自分たちで一つずつ作り上げていくうちに責任感も出てきて、「もう少しで仕上がる、楽しい!」と思えるようになった。当日も委員全員で運動会を進めていく感じがすごく楽しかった。そして終わった後の達成感が嬉しかったです!

委員 上野 美沙 さん
(1年生/島根県・松江市立女子高等学校出身)

2年生が準備をたくさんしてくださったので1年生はサポートでしたが、仕切っている2年生はかっこよかったです。今までしてきた運動会とは違い、朝早く委員が集まりリハーサルをしてみるという貴重な体験ができました。リハーサルの時、みんなで声を掛け合い協力することができ、先輩との交流もできて楽しかったです。とてもやりがいのある仕事でした。

委員 藤田 萌美 さん
(1年生/広島修道大学附属鈴峯女子高等学校出身)

最初は何もわからなくて戸惑っていたけど、優しい先輩にいろいろ教えてもらって最後まで失敗なくやりきることができました。とてもやりがいを感じました。保育士に必要な準備や運営を詳しく学べたので良かったです。何より全体的に楽しかった!

担当教員のコメント

保育学科
矢野下 美智子 准教授

今年もシミュレーション学習「運動会」を無事終えることができました。運動会に向けて運動会委員と過ごした激動の3週間を振り返って感無量です。天候にも恵まれ、丁寧に準備を進め、当日もリハーサルをきちんと行うことができたおかげで、例年以上に順調に運動会を運営することができました。学生たちにとって委員として頑張った3週間は、大変密度の濃いもので、「本当に大変だった」と口々に言いましたが、それにも増して充実感と達成感を味わうことができたとも言ってくれました。しんどかったからこそ、この経験が現場力につながってくれればと祈っています。また園児役の学生たちも、「楽しかった」と満足の声を残して笑顔で帰ってくれました。そのことが委員たちの達成感につながったのは言うまでもありません。